天城山ボランティアガイド【今泉良山】
- 環境・情報
- 2016/06/11
天城山ボランティアガイド
【今泉良山】
平成12年12月号
「この葉っぱをかじってみて下さい」「ちょっと苦っぽいけど段々甘みが出てくるでしょう?」「えーそうですね」
「これをアマギアマチャと言うんですよ。アマキから変化して天城になったという説もあるんです」「あぁ、そうですか?」
「ホラッ、そこに毒々しい赤い実をつけているのがツルシキミです。あれは毒ですね、アシキミと言っていたんですけどアが抜けてシキミになったと言われています。綺麗なものには毒があるから気をつけて下さい」などと目につくものを説明しながら天城山を登って行く。
「こんなふうに話を聞きながら山を登ると楽しいですねぇ」あー良かった!今日はボランティアの初日である。内心はほっとしながら、また次は何の説明をしようかなと、うれしい気分になった。ついこの前まで、山は「より高く、より険しく」なければ張り合いがないと思っていたのに、何故か中伊豆町主催の天城山ボランティアガイドの講習を受けていた。山の歴史や動植物の講義を受けているときも気持ちの半分は北アルプスに向いていた。
なのにいつのまにか、遠くからやって来た中高年ハイカーと一緒に天城の山中を歩いていた。赤い帽子に赤い腕章、ちょっと赤帽さんみたいで恥ずかしいけど、ちょっぴり自慢したい気分。この姿をしていれば、誰にも声を掛けたくなる。相手も安心して相談や質問をしてくれる。見ず知らずの人達とも気軽に知り合いに慣れそうな気持ちにしてくれる。
裾野麗峰クラブの後藤さん達グループと皮子平の近くであった時、
「今泉さん、その格好何してるの?ちょっとビデオ係、これ撮ってやって」とからかわれたけど、まっ、いいか。天城の遅い秋の装いも終わりかけている。シャクナゲの花芽が小さいから来年はだめかなぁ?今年の冬、雪が降ったら唐沢の水場から石楠立に抜けてみよう、蛇が冬眠している間にこの沢を遡行してみるか、などと今夜も地図の上で天城の山々を歩いている。
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作成日2002年8月1日